指笛楽友会通信 No. 32 

                            指笛楽友会

平成20年2月

 

 寒さの中にも春の訪れを感じるこの頃となりました。皆様お変わりございませんか。それにしても先日の低気圧通過と春一番の嵐はすさまじいものでしたが、皆様のお宅はだいじょうぶでしたか。

指笛楽友会通信本年第1号をお届けします。準備の都合で2月号が3月にずれこんでしまいました。ご容赦ください。

 

(目 次)                          (ページ)

1.南半球110日間の船旅(河津菊枝) ・・・・・・・・・・・・・・1

2.静海先生にお聞きしました      ・・・・・・・・・・・・・・2

3.事務局からのお知らせ        ・・・・・・・・・・・・・・3

 

               ♪♪♪♪♪

河津菊枝さんからご寄稿いただきました。110日間の船旅の模様が生き生きと描かれています。うらやましいですね。

1.南半球110日間の船旅                             河津菊枝

 仕事に疲れ、二年早く退職した自分への“ごほうび”は、ゆったりとした船旅。ちょうどピースボートが南半球110日間を募集していたので、気の進まない夫、反対の母を説得しての旅でした。今回の59回はなかなか行けないキューバ、タヒチ、マチュピチュ、ガラパゴス諸島等を回るため前回の倍の千人の乗客、しかも『4割が若者』のため、何か騒がしく落ち着きのない雰囲気でした。始めは若者の叩く“小倉祇園太鼓”や“エイサー”“スペイン語・英語無料講座”を学ぶのに忙しく、それと上陸説明会で過ぎてしまい、『口笛・草笛・指笛教室』は1ヵ月に1〜2回ペースで始めました。『楽友会発行の指笛の吹き方』を20枚コピーしましたが、すぐなくなり、結局70枚用意しました。初めは、「口が疲れた」「酸欠で頭がフラフラする」「むずかしい」と出入りが激しく、安定しなかったのですが、「あなたもこんなきれいな音が出ますよ」と、私が一人一人指をくわえ鳴らし、歌ってみせると、「ワーッ!がんばってみる」と続け、とうとう3ヵ月後には、自主講座の発表会で♪ちょうちょ♪を吹き、「えーっ!?結局出来たんだ!私も続ければよかった」「私もやればよかった」の声。一番弟子は82才の千葉のおばあちゃん、二番弟子は「欧米の人のようにピューと吹けるようになりたい」と熱心に来てくれた大阪の先輩男性、三、四番は約同年輩の女性陣でした。最後に「コンドルは飛んで行く」、「歌の翼に」を披露すると「えーっ!指笛ってこんな音楽だったの?感動した」「涙が出てきた、あなたがひたむきに吹いているからかな」と言われ『大三先生の“心の叫び“』を思いました。そう!私はこれからも一人でも多くの方が感動してくださる音楽をめざしたいと思いました。今回の船旅は楽しくもあり、『笛を吹くと魔女を呼ぶ』(船員さんの)という昔からの言い伝えもあり、遠慮しながらの指笛の旅でした。交流という意味では、街角でしじゅう騒音がらみのピーピーが聞こえていて(南半球という場所がら)その中で美しい指笛音楽を吹くと驚き、静かに聞いてくれましたが、ちょっと真似しても、すぐ鳴らないので、それで終わってしまいました。かと思うと、カナリア諸島の一番大きい島グランカナリア島ラスパルマスの小、中学校で、エイサーと共に演奏会をしたのですが、子供達が興奮さめやらず、あちこちでピーピー鳴らし、先生達が大変そうでした。「ある程度状況判断ができる年齢になってから」という考えもあるのかな?いろいろ考えさせられた旅でもありました。

 

 

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 今年も静海先生に近況をお伺いしました。大三先生への強い思いと皆様への感謝の気持ちが溢れています。

2.静海先生にお聞きしました

大三の介護は丸三年となりました。初めの頃は困難なことが多くてなかなか思うようにできませんでしたが、今は手や体が慣れてきたせいか、当時の労力の半分ほどでできるようになりました。私自身が慣れてきたこともありますが二人とも慣れてきたのも事実です。そしてまた、こういう場合はこうしたらいい、とか、ああしたらいいということが分かってきました。そういうことで余裕があるといいましょうか、体の調子もリズムに合って変動があまりない状態です。私自身のことも皆様からも心配していただき、自分が倒れたら大変だ、という意識が強くて緊張の毎日でしたが、そのような緊張は逆に大三の気持ちにも伝わるらしく、今の状態はそういう状態から解き放たれたように思います。ですから、今はだいじょうぶですよ。私自身が元気になると大三も元気になるんです。

デイサービスも利用させてもらっています。きっかけを作って、気軽に出かけるようになりました。先日心配で、覗きに行ったら、他の皆さんと喜び合って過ごしていました。ケアマネージャーさんのご好意で、今年からは週2回(火、木)行くようになりました。お迎えが来ると喜んで行きます。生活に明るさを取り戻したようです。ヘルパーさんからの報告によりますと、キーボードを弾いたら大三が歌を歌ったそうです。本当に驚きました。緊張や大変さが半減した思いです。このリズムが持続していくように、急変のないように祈っております。最初はとまどいもありましたが、デイサービスの間に買物ができたりしてうれしく思います。お医者さんの検査では二人とも何の問題もない、と誉められました。月2回の往診ですが、とても安心です。

今望んでいる第一のことは、この状態が1年でも長く持続することが大事だということです。指笛音楽の使命に生きた者が、輝いて年をとっていくことはとても大事だと思います。年を取るということは自然のことですが、大三はそういう一般的な年の取り方をしているのではないと思うのです。私自身一心同体となって生きて、ぴかぴかのままで、使命を持った者のお手本にならなければならないと思うのです。

楽友会の人たちも大三の存在そのものが、存在感というか、力になっているのではないでしょうか。黙ってそこにいるというだけで。こういうことを理解していただいて指笛のために働いてもらいたいと思うのです。指笛の吹き方云々を具体的に指導することよりも、こういう立場になって生き様を見せているのではないかと思います。

私を励ましてくれることは、120%楽友会の方々のお陰です。皆さんが放射線のような力を投げかけてくれているような感じがしております。本当に感謝しています。これからもお力添えをいただいて、生きていきたいと思います。大三がいればこその人生です。深い心で結ばれているのだと思います。しっかり顔を見つめて、大三にありがとう、と言います。大三は言葉には出さないのですが、言葉がなくても言葉以上のことを示しているのです。言葉がなくてもこんなにも気持ちのうえで満足できる生活があるということに気づきました。

本当に満足で幸せでございます。皆様に感謝申し上げます。

                             

             ♪♪♪♪♪ 

3.事務局からのお知らせ

(1)去る1月14日に開催された2008年度楽友会総会において、平成20年度の事業計画などが決まりました。以下ご紹介します。

 @指笛音楽74周年記念コンサート(指笛音楽研究発表会)

   日 時:平成20年11月22日(土) 午後

   場 所:練馬区立文化センター 小ホール

  (注)詳細が固まりしだい別途ご案内します。

 A楽友会通信の発行

   20年度は19年度同様4回発行することとし、発行月、編集分担は次のとおりとなりました。よろしくお願いします。

   2月:竹中速雄、5月:武井洋子、8月:松谷茂、12月:有吉憲行

 

(2)また、2月23日には役員会が開催され、2008年度指笛音楽研究発表会の練習予定日は次のとおりとなりました。なお、変更等ありましたら別途お知らせします。

  @ 7月19日(土)※注1.7月は都合により、1週早まりました。        

  A 8月23日(土) 注2.いずれの月も「25の会」を兼ねます。        

  B 9月27日(土)        

  C10月25日(土)

  D11月15日(土)

 

(3)楽友会では、指笛音楽普及のために、楽友会として、あるいは個人で、各地域でさまざまな機会をとらえて演奏活動を行っています。もし、皆様の地域で、こんなイベントがあるので、ぜひ指笛音楽を披露してほしい、などの要望がございましたら事務局までお知らせください。

  

  次回の配信は5月号です。

      指笛楽友会事務局 斎藤秀元 03−3923−2415

      編集責任     竹中速雄 047−448−0186