指笛楽友会通信 No.
36
平成21年3月 楽友会通信
寒さ、暖かさが繰り返される日々のなかで、いつの間にか梅の花は散り、桜の開花を待ちわびる今日この頃となってしまいました。歳月の早さに驚くとともに、いくつになっても春の訪れを待つ気持ちのうれしさは格別なものと実感しております。皆様ご機嫌いかがでしょうか。
つくしを採ったり、わらびやすかんぽ(四国地方ではイタドリ)を採ったり、たけのこ堀りなど、それに入社や入学、入園と春の訪れは、家族や地域や、人によってさまざまな楽しみがあるものです。皆様もそれぞれの春をお迎えのことと思います。
指笛楽友会通信本年第1号をお届けします。2月にお届けする予定が3月になってしまい申し訳ありませんでした。
(目 次) (ページ)
1.会長ご挨拶(斉藤さんが会長に選ばれました) ・・・・・・・・・・1
2.静海先生にお聞きしました ・・・・・・・・・・・・・・2
3.事務局からのお知らせ ・・・・・・・・・・・・・・3
♪♪♪♪♪
1月に開催された総会において、指笛楽友会会長に斎藤秀元さんが選ばれました。皆様へのご挨拶をご紹介します。
1.ご挨拶
斎藤 秀元
私はこのたび2009年度総会において指笛楽友会会長に任命されました。顧みますにこの10年ほど不十分ではありましたが事務局の業務を担当してまいりました。会長職はとても私の任ではないと思っていましたので困惑している次第です。田代前会長の後を受けてその責務の重さをひしひしと感じています。
田村大三先生が指一本でメロディーを奏でることに着想し、前人未踏の道を拓いて来られたご苦労の成果を絶やすことなく、さらに発展させて行くことが楽友会の使命であると肝に銘じ、会員一同力を合わせて前進することに意を注
ぎたいと思います。
今日、世の中は様々な音楽で満ち溢れています。それだけに人々、特に若い世代の人々の音楽に対する感性は鋭敏であるでしょう。この若者たちを始め多くの方に指笛音楽に対して興味・関心を向けていただくためには、指笛音楽の何をもって訴えて行けばよいのか考えて見る必要があると思います。
また本年は指笛音楽75周年という記念すべき年に当たります。皆の力を結集して9月の記念発表会を成功させましょう。
いたらぬところが多々あろうかと思いますがご指導ご鞭撻とご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
♪♪♪♪♪♪
去る3月12日、静海先生に大三先生の近況をお伺いしました。静海先生の大三先生への思いが凝縮しています。また、皆様への感謝の気持ちが溢れています。
2.静海先生にお聞きしました
田村大三の今の状態は良くもならないし、悪くもならない、という状態で落ち着いており、リズムが整ってきている感じがしております。主治医の先生が月に2回往診に来てくださいますが、往診のたびに、「血圧も脈拍もほとんど変わりなく、熱も平熱で、いつもと同じ状態ですよ」と言ってくださいます。大三は、この4月16日には96歳を迎えるんですよ。次の年もこの状態で迎えたいと切に思います。
二人とも風邪をひかないように気をつけています。今の状態を維持していくのが大切だと思います。特に肺炎が怖いのです。風邪や痰が原因でかかってしまいますので、寝たきりの人は肺炎を起こしやすいのです。ですから、痰をしげくチューブで取っているのです。チューブの吸い込む音で溜まっていることがわかります。大三自身もチューブに慣れてきたのか、抵抗もしないようになりました。たくさんのことをするうちに、私は一等看護婦になったような気持ちです。チューブで取るのを吸引といいますが、薬を入れるのを吸入といいます。10分ぐらいかけて肺に薬を入れるのです。これを毎日やっております。このとき固定の専用マスクを使うと私自身は楽なのですが、マスクをあてがってやることは、自分の手が大三に直接触れないので、自分でやるようにしています。それが大事だと思うのです。
大三が退院して以来のことですが、音楽を聞かせると、元気が出ていることがわかりました。それで音響機材も良いものを取り付けました。音楽を聞くと、いいなあ、という顔をしています。看護婦さんが来ると、「やすらいでいるのは音楽のせいでしょうね」、と言うのです。良くなっているのは音楽のせいだと。ですから新しいCDを購入して二人で聴いております。二人で音楽を聴いて、顔を見合わせていますとなんとも言えず幸福な時間に満たされてきて、まるで天国に導かれていくような気分に浸されます。二人の心を音楽によって一つにすることができるのは、神様のお力があるからではないかと思います。
今の二人の状態は言葉がいらない状態です。言いたいことはあるかも知れないが言葉にならない。それを察してあげないといけない。言葉は通じないが、心を通わせる必要があります。大三自身は、私が言うことは聞こえているようです。もうひとつは表情が顔に出なくなってきたことです。でも、目を見ていると返答していることがわかります。視線が強くなったり、弱くなったりするのです。その状態を読み取るのです。コミュニケーションの力だと思います。
このような毎日ですが、この毎日がとても充実しています。真実感が高まってきているのです。人間は言葉で交わすことは真実は少ないと思いますが、言葉以上の真実性が高く感じられるこの介護は私のためのものだという思いを強くしております。自分が、許されている、満たされている自分を感じています。
しばらくレッスンは離れていますが、皆様が心を同じくして励ましてくれていることを強く感じておりまして、とてもうれしく思います。ちょっとした心使いが大変ありがたく、皆様に感謝申し上げたいと思います。
♪♪♪♪♪
3.事務局からのお知らせ
(1)去る1月12日に開催された2009年度楽友会総会において、平成21年度の事業計画などが決まりました。以下ご紹介します。
@指笛音楽75周年記念コンサート(指笛音楽研究発表会)
日 時:平成21年9月26日(土) 午後
場 所:練馬区立文化センター 小ホール
(注)詳細が固まりしだい別途ご案内します。
A楽友会通信の発行
21年度も20年度同様4回発行することとし、発行月、編集分担は次のとおりとなりました。よろしくお願いします。
2月:竹中速雄、5月:武井洋子、8月:松谷茂、12月:有吉憲行
(2)25の会のお知らせ。25の会の予定は次のとおりです。いずれも25日にもっとも近い土曜日を基本としています。指笛の練習(初心者指導を含む)、役員会、会食という予定です。
@ 3月28日(土)
A 4月25日(土)
B 5月23日(土)
C
6月27日(土)
D
7月25日(土)
(3)楽友会では、指笛音楽普及のために、楽友会として、あるいは個人で、各地域でさまざまな機会をとらえて演奏活動を行っています。もし、皆様の地域で、こんなイベントがあるので、ぜひ指笛音楽を披露してほしい、などの要望がございましたら事務局までお知らせください。
次回の配信は5月号です。
指笛楽友会会長 斎藤秀元
編集責任 竹中速雄