No.17

2002年12月24日 指笛楽友会発行 年4回発行

<お手紙紹介>

パッカラマ(口笛祭り)に参加して               笹原和則 (本会会員)

サポーターからのおたより  川越市 Y.Sさん

シリーズ 「私と指笛」  「ステージ恐怖症と演奏する喜び」  倉木 成伊知(本会会員)

<演奏会報告>

「さいたま市田嶋地区文化祭 ふぁみりーこんさーと」        斎藤 秀元 (本会会員)

<役員会報告>

事務局より

<お手紙紹介>

 先般、九州の笹原氏より、アメリカのオクラホマ州で開催された「口笛祭り」に、指笛で参加なさった様子をお手紙でご報告いただきました。ぜひ皆様にも読んで頂きたいと思いここにご紹介する次第です。通信発行のタイミングと事務局の都合で掲載が遅くなりました事をお詫びいたします。
 さて、笹原氏といえば指笛ホームページの生みの親であり、その他地元における普及活動をはじめ指笛音楽の発展のために多大な貢献をしてくださっています。ご自身も指笛が大変上手で、本年6月の中野ゼロホールにおける発表会では、美しい音色のアカペラ演奏で会場を魅了しました。その指笛をもって口笛祭りに臨んだのですから・・・反響は如何に! まずはご一読ください。笹原氏の勇気に感服しました。英語がペラペラなんて全く知りませんでした。会員の皆さん、笹原氏にご感想をお寄せください。 (事務局)



パッカラマ(口笛祭り)に参加して
                                                        笹原和則 (本会会員)


拝啓
 九州にも紅葉が訪れ、朝夕の涼風に新しい季節を感じます。楽友会の皆様お変わりありませんか。さて、この度10月18日〜21日オクラホマ州タルサをその近郊ジェンクスで行われたパッカラマ(口笛祭り)に参加してきましたのでレポートいたします。
 具体的には、タルサ中心街での野外ステージ、テクノロジーセンターのホールを使っての、児童虐待撲滅コンサート(チャリティ)。それにワークショップ。(鳥の鳴き声、口を開けたままの口笛、手袋笛等)これらを中心に、老人ホームでのミニコンサートや宣伝のためのラジオ。口笛のカラオケ大会、予定外ではありましたが、教会での演奏も加わりました。参加者はすべて吹きたがりであるため、各場所で一曲が基本ですが、指笛はどこでも評判が良く、指笛の持つ力をあらためて感じました。
 基本的にはジーンズとトレーナーでやれましたが、コンサートだけは蝶ネクタイにタキシードで演奏しました。このメインのコンサートになかなか客が入らず、1時間遅れくらいでようやく200人くらいになったでしょうか。僕の出演は初めから5番目くらいでした。司会が何か伝えることはないかと聞くので緊張していると答え、そう紹介してもらって、マイクの前で「アイワナゴーホーム」(おうちに帰りたいよー)と言ったらとてもうけた。それで適度にほぐれてバラードの曲に入ってゆけました。音を出し始めると客席の雰囲気がみるみる変わっていき、少し笑って分集中できたんだと思います。演奏後拍手が鳴り止まなかった。僕は少し涙が出ました。そのあとひっきりなしに握手されたのを覚えています。

 ワークショップでは、指笛が田村式であることや、グループがあること、カリフォルニアには松島さんがいることも紹介して吹き方をやりました。シカゴから来たバーディースーはすぐに音が出ました。他の講座をやる人から、あまり熱心にやられるとオレの立場がないぞと声がかかるくらいで、楽しくやればいいような感じでした。「左手を指笛に使うとすぐ握手ができる」と言うとどっと受ける等、何とか笑いがとれて思ったより楽に45分過ごせました。
 ワークショップの日の夜はカラオケ大会でおわり、次の日は日曜日ですが、結局クリスチャンでもないのにビジターとして礼拝堂でも演奏することになりました。あちらは、教会は公民館として治安や教育に深く関わっていてコミュニティに欠かせないものという印象です。パッカラマ自体は教会と関係ないものの、今のところ僕以外はほとんどクリスチャンですし、教会横の体育館を借りたりするので、ホテル以外は酒タバコはありません。
 運営方法としては特にスポンサーも少なく、遠くから来たプロの口笛家も舞台を運んだりする手作りの祭りで、持参の自分のCDが売れればみっけもんみたいな考えで、とても海外から招待できるような台所ではないようです。新聞、テレビ、ラジオはローカルですが比較的好意的なので、自分の宣伝と情報交換と親睦のための催しです。この中には競い合うことをあえて省いています。口笛コンテストは別の組織がやっているからです。
 
 楽友会でも興味がある方は参加されてみてはいかがでしょうか。あまり大勢になると、口笛主体の小さな祭りの主旨が変わってくるため、反感を買う恐れもありますが、町おこしのようなイベントに参加してみるのもいろいろな可能性があると思います。予算的には一人20万はかからないでしょう。飛行機代は福岡発で13万くらいでした。なお、インターネット後世界はとても狭く感じます。僕のホームステイ先にはプレイステーションUがあり、映画館には千と千尋が上映され、寿司はあたり前のようにあり、特に日本文化を伝える必要はあまりありません。そしてセプテンバーイレブンのテロ以降アメリカ人は国民同士のきずなを深め、どこか涙もろい所もある様にも感じました。反面、セキュリティはとても厳しいので、外人としては少々緊張する部分があるのも確かです。テレビでは毎日人が撃たれていました。それでもオクラホマの田舎町は福岡のはずれの町と同じようにのんびりと時が流れていました。
 長くなりました。この辺でペンを置きます。皆様寒くなりましたのでご自愛ください。またお会いしましょう。

敬具
2002年11月2日

 

サポーターからのおたより  川越市 Y.Sさん

* 楽友会通信No.15 ありがとうございました。いつも通信をお送り頂き恐縮しております。おかげさまで楽友会の皆さんと「共にあるいている」という幸せな気分を味わっています。
* 楽友会通信No.16 ありがとうございました。定年後のような年齢で、みなさんが指笛に精進していることを読んで羨ましく思い、生き方の参考にもなりました。


シリーズ 「私と指笛」
                「ステージ恐怖症と演奏する喜び」
                                                          倉木 成伊知(本会会員)


私が指笛を始めてから6年半になります。もう、「新人」とは呼ばれない年数になってしまいましたが、腕前の方は、相変わらず「新人」の頃と大して変わらず、いっこうに上達していないのは残念ですが、ろくに練習をしていないのですからそれもいたし方ありません。しかし、指笛の腕前はそれほど上達しませんが、この6年半でかなり変化したことがひとつあるのです。それが私の「ステージ恐怖症」なのです。
 私は子供の頃から父に厳しく育てられました。そのおかげで、忍耐力や向上心を学び、成長してくることができましたが、一方で、あまりに完璧であらねばという思いが強いために、失敗する恐れや、人に批判されることに対する恐れが強く、いざというときに過剰に緊張してしまって、自分の力を発揮できないというところがありました。子供のころから、人前に立って話をするときなど、緊張してしまって声がでなくなったり、足が震えたり、顔が赤面したりということも良くありました。
 大学生になったころから、この自分の性格上の欠点を何とか改善したいと考えて、心理学の本を読みあさったり、座禅修行に通ったり、カウンセリングやグループセラピーを受けたりしてしました。そのことが活かされて、現在はサイコセラピスト(心理療法家)として仕事をするようになったのですが、この過程で人前で話すことは、かなり楽にできるようになりました。でも、あまり改善していないこともありました。それは、人の前で音楽を演奏するということだったのです。音楽を演奏することはとても好きだったのですが、私にはいくつかのトラウマ(心の傷)があったのです。まず、一つ目は小学校3年生のときの学芸会で、ハーモニカを吹いたのですが、例によって緊張が強く、何度か間違えてしまったのですが、それを聞いていた女の子たちが「クスクス」笑っていたのが聞こえてとても傷ついたことがありました。次が、高校生のときの文化祭でクラリネットをふいたのですが、やはり緊張し過ぎてまともに音が出ず。またも女子高校生たちに「クスクス」と笑われてしまったのです。大学生のときもジャズバンドでサキソホンにチャレンジしたのですが、やはり挫折してしまいました。このいくつかのトラウマに懲りて、その後ずっと、音楽を演奏することを避けていました。
 そんなときに指笛に出会ったのです。これなら、鍵盤の指使いなどが上手でなくとも音楽を演奏できるのではという安易な考えで始めました。そして、苦労しながらも、音が出るようになってからは、忘れかけていた音楽を演奏する喜びを思い出してきました。そして、毎年行われる発表会などで大勢の人の前で演奏する機会を何度も体験することができ、少しずつステージ恐怖症も軽くなってきて、最近では、楽器でない指笛だからこその難しさや奥深さを感じながらも、音楽を演奏することの楽しさを味わえるようになってきました。これからも、「完璧でなくともいい。ヘタはヘタなりに楽しめばいい。」と自分に言い聞かせながら、一生、指笛を楽しんで行きたいと思っています。



<演奏会報告>

「さいたま市田嶋地区文化祭 ふぁみりーこんさーと」
                                                                 斎藤 秀元 (本会会員)

日時 11月4日(月)13:30〜16:00
会場 さいたま市田嶋公民館
出演 木管五重奏、フォルクローレ、沖縄民謡、指笛演奏の4団体

<楽友会のプログラムと出演者>

1.遠くへ行きたい・・・・・・・奥津恭子・武井洋子
2.椿姫より「乾杯の歌」・・・・有吉憲行
3.モルダウの流れ・・・・・・・河津菊枝・斎藤秀元
4.一晩中踊り明かそう・・・・・中村倫二
5.ある晴れた日に・・・・・・・山本静海(歌)
6.エーデルワイス・・・・・・・山本静海(歌)・中村倫二
7.上を向いて歩こう・クワイ河マーチ
山本静海・武井洋子・奥津恭子・有吉憲行・斎藤秀元・河津菊枝・中村倫二・有吉潤子

今回の出演はさいたま市ボランティア音楽協会(会長 大和実氏)の要請によるものでした。事前の情報では、他の3団体は各種の催しによく出演しているセミプロ急との事で、これには少なからず刺激を受けましたし、指笛の真価が問われると思いました。今回は大和氏も私達も大三先生や静海先生にご出演頂く事は考えていなかったのですが、私達の(私の)不安を察せられたのか、静香先生がご出演を申し出られ、それだけでなく先生ご夫妻が私達のリハーサルに力を注いでくださいました。又リーダー役の中村倫二氏も私達をよくリードし充実した練習ができました。
 当日は、大三先生が最前列で私達を見守ってくださり、練習の効果と相俟って演奏はまずまずの出来栄えのようでした。大和氏からは楽友会の演奏がフレッシュ感も加わって大変良かったこと、そして何よりもプロ声楽家静海先生の歌「ある晴れた日に」が今回の演奏会全体を大いに盛り上げ聴衆に感銘を与えてくださったことを深く感謝されました。



<役員会報告>

11月25日(月)に役員会を行い、次のことが話し合われました。
議題1、2003年度総会及び新年会について
    2002年度の事業報告、会計中間報告、2003年度事業計画について審議しまとめをしました。開催日時等は次の通りです。
日時  2003年1月13日(月)成人の日
総会 3:00 新年会 4:00頃
場所 田村大三先生宅 会費 3000円
◎ 申し込みについては年賀状をご参照ください。
議題2、2003年度指笛音楽研究発表会開催について
8月10日(日)練馬文化センター小ホールを確保できました。
日中(1時〜5時)の間に開催できることになりました。



事務局より

本年度最後の通信をお届けいたします。いろいろとご協力ありがとうございました。
今日はクリスマスイブです。あと数日で新年を迎えます。新しい年が皆様と指笛音楽にとって輝かしい年となりますよう祈念いたします。

*::::::::::* Merry Christmas & A Happy New Year *::::::::*

指笛楽友会事務局