楽友会通信  No.14

2002/5/15  指笛楽友会発行

 

指笛音楽研究発表会   合同練習始まる

 

来る630()に中野ゼロホールで開催される指笛音楽68周年記念研究発表会の準備が進んでいます。中村倫ニ氏ご夫妻の活躍で既にチケットとチラシは出来上がりました。皆様からのご注文を待つばかりです。ご協力のほど宜しくお願いいたします。

 今回は門下生の発表が中心になりますが、アメリカから松島恵先生が駆け付け私達の演奏に華を添えて下さるなど、田村ファミリーが従来どおり指導と応援に力を注いで下さいます。指笛ファンのためにもそして何よりも自身と指笛の発展のために、一人一人が満足できる演奏を心がけたいものです。

 現在のところ門下生の出演予定者は18名で、目下のところプログラムを固めつつあります。46日の第1回の合同練習には、安西、片井、有吉、倉木、奥津、武井、河津、藤好清、藤好真、中村、斎藤の各氏が参加しました。それぞれが練習の中で石原泉先生から」いろいろとアドバイスを頂きましたが、そばで聴いていて大変勉強になりました。

シリーズ『私と指笛』草笛を習うはずでしたのに

斎藤 秀元(本会会員)

 私には」指笛と草笛の恩人がいます。ある日その人が「草笛が習いたかったら指笛の先生の所に行けば、草笛の先生が指笛を習いに来ているから、そこで草笛を教えてくれますよ」と教えてくれました。ちょっと難しい情報ですが、指笛音楽というものを全く知らなかった私にとっては、草笛を教えてもらえるということで十分でした。

 11年前のある日、道に迷いながら指笛の先生宅をお訪ねしました。ピアノのある大きなリビングに7〜8名の人が集まり、やがて指導が始まりました。何と!それは草笛ではなくて指笛だったのです。気の弱い私は草笛のことを切りだせず(どの方が草笛の先生だかわかりませんでした。)そのまま指笛の指導を受けていました。

 すると途中からにこやかなご高齢の方が登場され(それが田村大三先生でした)、一曲演奏して下さいました。ギターのテープ伴奏による「影をしたいて」です。私の大好きな古賀メロディー、指一本で嗚呼何と素晴らしい演奏でしょう!私に迷いを吹き飛ばす強烈なインパクトを与えました。よし、指笛を習おう!こんな動機で皆様の仲間入りをいたしました。

 後日わかったことですが、草笛の先生とは故宮城富雄先生のことでした。その後ときどき別室で草笛を指導なさっているのを見かけましたが、コース変更はしないで終わりました。

 指笛を覚えて2年目ぐらいのある朝通勤途中のことでした。保育園に向かうと思われる男の子が母親に手を引かれて歩いていました。その時近くの木立で小鳥が鳴きました。「おかあさん、小鳥さんが鳴いたよ!」とその子が叫びました。しかし母親は見向きもしませんでした。そこで私が後方からピッピーピッピーと指笛を吹きました。すると「こんどは上手に鳴いたよ!」と叫んでくれました。指笛を覚えてよかったと思った最初の喜びでした。

 数年前、家内と霧が峰の車山を登山した時のことです。頂上近くで一息入れようと立ち止まりました。上の方は霧で覆われて何も見えませんでした。私は遥か下方を登ってくる中学生の一団に向かって「ピーーピーー」と数回、半ば得意になって指笛で合図(挨拶のつもり)を送りました。すると突然私達の後方で「がたん」という音がしました。家内が「リフトが停まっちゃったわよ」と私に教えました。ドキ、しまった!!その瞬間に自分の過ちに気づきました。そのうち霧の中から電話のベルの音が聞えてきました。私は益々身のちぢむ思いです。どうなるかと心配していましたところ再びリフトが動き始めほっとしました。霧の中を登っていったらリフトの終点にぶつかりました。私は何か聞かれはしないかとびくつきながら通り過ぎました。これは全くの偶然なのか非常の合図としてキャッチされたのかわかりません。しかし場所をわきまえて吹くことと、確かに非常用に役立ちそうだということを実感しました。

事務局より